今回のレポートでは、本年1月中旬から下旬にかけて、香港で実施された「鹿児島物産展(かごしまフェア)」と「鹿児島商談会」について、また各イベントにおいて実施された、本県:伊藤祐一郎知事によるトップセールスについて御報告させていただく。
2つの物産展と、商談会を同時期に開催。3つのイベントで、知事がトップセールスを実施。
今回、香港で同時期に開催された3つのイベントについては、開催に先立ち、鹿児島でもマスコミリリース、新聞報道等がなされたため、既にご存じの方もいらっしゃると思うが、3つのイベントの概要は下記のとおりである。
@「鹿児島野菜フェア」
場所:香港ユニー
主催:鹿児島県経済農業協同組合連合会 ほか
期間:1月17日〜1月23日
販売品目:だいこん、さつまいも、ピーマン等
A「かごしまフェア」
場所:シティスーパー(2店舗)
主催:鹿児島県、鹿児島県輸出食品振興連絡協議会、鹿児島県漁業協同組合連合会、社団法人鹿児島県特産品協会
期間:1月19日〜2月6日
販売品目:ブリなどの水産物、鹿児島黒豚餃子、焼酎、黒酢、さつまいも、鹿児島ラーメン 等
B「鹿児島 商談会」
場所:ジェトロ香港センター内会議室
主催:社団法人鹿児島県貿易協会 鹿児島県
期日:1月19日
参加企業数:食品関係企業を中心に、11社
「縦割り行政」という言葉で揶揄されるように、私ども行政においては、担当部署が違うとなにかと情報の共有化や意思統一など横の連携が図れず、同時に実施すればより効率的でかつ効果的な事業が、なかなか実現できない、ということも、しばしばある。だが、今回の事業実施については、2006年4月より設置された「県観光交流局 かごしまPR課」が中心となり、県特産品協会や県貿易協会、また県経済連や県漁連など関係機関と、何度となく、日程、内容などについての調整を行い、今回の同時開催に至った。
知事のトップセールス
皆様ご存じかと思うが、本県知事のマニフェストには、「トップセールスにより、知事自らが本県農水産物の売り込みを行う」ことがうたわれており、これまでも主に東京や大阪など国内首都圏において10回ほど実施され、議会等においても一定の評価を受けてきた。
海外では、2005年11月、ソウルにおいて実施されているが、この時は鹿児島・ソウル間の航空路線に関するものであり、海外で「県産品の売り込み」を行うトップセールスとしては、今回の香港が記念すべき初開催ということになった。
(これまでの、知事トップセールスの実施状況については、本県ホームページ初期画面より、「ようこそ知事室へ」→「トップセールス」で詳細をご覧いただけます。)
【http://www.pref.kagoshima.jp/chiji/topsales/index.html】
香港特別行政区政府、香港総商会等訪問
ご存じの会員の皆様も多いかと思うが、鹿児島県にとって香港は、長い交流の歴史を持つ特別の地である。昨年10月に鹿児島で開催された「鹿児島・香港交流会議」は1980年の開始から15回目を数える。また、本県の財政状況を勘案し、その多くが2年ごとの開催となってはいるものの、文化、スポーツを通した青少年等の活発な交流は、他の日本の地方自治体の中でも、類をみないものである。さらに、これらの交流に加え、経済的な交流についても、少しずつではあるが実績を積みあげてきており、これら文化・スポーツ・経済での交流を香港側で支えてくれているのが、香港特別行政区政府や、香港で最も古い歴史を持つビジネス業界団体である香港総商会である。
今回のトップセールスに併せ、知事及び本県観光交流局長は、香港特別行政区政府 民政事務局長(日本の大臣に当たる)パトリック・ホー氏や、香港総商会の総務委員会委員 アンドリュー・ユエン氏、アジア・アフリカ委員会委員長 K・L・タム氏などを表敬訪問し、現在或いは今後の香港の経済状況等に関し、意見・情報交換を行うと共に、鹿児島・香港間の交流促進に向けて、両者が今後も協力していくことを確認した。
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| 香港総商会を表敬訪問 |
パトリック・ホー民政事務局長と |
香港ユニーでの『鹿児島野菜フェア』
同フェアは、県経済連が中心となり、実施。
場所は、香港の代表的な日系スーパーの一つである「香港ユニー」(ユニーの社長が、2月21日付けで、本県ご出身の前村 哲路 さんに替わられることは既報のとおり)。
同店は、1987年に開店、香港でも多くの日本人が住むタイクーシンに立地し、売り場面積は13000uを誇る。

香港ユニーでの野菜フェアを視察。
今回のフェアでは、大根や、実えんどう、そらまめ、さつまいも、デコポン、いちごなど、17品目が販売された。特に、大根など数品目については試食販売を行い、「食べて、味を確認し、納得しないとなかなか買わない」と言われている香港人にPR。
知事は、長屋初男 経済連会長と共に、1月18日夕方、フェア会場を訪れ、同店の店内視察を行うと共に、香港ユニー食品部長から、香港市場における日本食品の販売状況などの説明を受けた。
ジェトロ香港センターでの『鹿児島商談会』
同商談会は、県貿易協会と県の共催で、中国・大連での市場視察及び商談会、また中国・深せんでの市場視察なども併せた商談会ミッションとして企画。会員の皆様の中からも数社の参加をいただいた。
香港での商談会は、1月19日(金)鹿児島県香港事務所も入居している独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)香港センター内会議室で開催され、10:30からの商談会開始前には、ジェトロ香港センターの船木 邦康所長からのあいさつ、また同センター 宇佐美 健 所員より「香港の日本食市場の動向と流通」に関するブリーフィングを受けると共に、伊藤知事も、シティスーパーでの『かごしまフェア』オープニングセレモニー前に立ち寄り、商談会参加企業の皆様を激励させていただいた。
香港の商談会に参加された鹿児島の企業様は11社。
鹿児島ラーメンや、芋焼酎、鹿児島茶、サツマイモを使ったお菓子、水産物、もろみ酢などの食品関係を香港のスーパーマーケット、レストランなどの関係者へ売り込みを行うと共に、アウトドア商品や自転車、コンテナなどの香港から鹿児島への輸入などに関する商談も行われた。
香港側企業の参加は、46社65名を数え、商談会自体はお陰様で盛況のうちに終了した。参加企業様のそれぞれの商談結果については、またそれぞれの感触があるかと思うが、今回の商談会への参加が、なんらかの新しい動きや、意識の変化等に多少なりとも、影響をもてたとすれば、主催者としてうれしいことである。
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| 知事が商談会参加企業を激励 |
多くの企業の来場で賑わう鹿児島 商談会 |
なお、香港側での商談相手先確保については、弊事務所で担当させていただいたが、業務に当たっては、香港総商会や香港貿易発展局、ジェトロ香港センターの多大なるご協力を賜り、当該誌面をお借りして厚く感謝申し上げたい。
シティスーパーでのかごしまフェア
今回の香港における知事トップセールスにおいて、一番のPRの場となったのが、1月19日11:00より開催された、香港のスーパーマーケット『シティスーパー』における『かごしまフェア』のオープニングセレモニー。
知事は、セレモニー冒頭のあいさつで、詰めかけた香港人を前に、広東語であいさつを行った後、県経済連の長屋会長や、県漁連の上野新作会長、また、シティスーパーのトーマス・ウー社長と共に、かごしま芋焼酎の鏡割りを行い、屋久杉製のますに入れた芋焼酎や、ふかしたサツマイモなどを来場者へ振る舞うなど、販売促進に向けたPRを行った。

シティスーパーの社長らとの鏡割り
このシティスーパーは、香港の中・高所得者層を顧客とし、安心・安全・高品質ではあるものの、輸送費等のためやはりある程度、高価になってしまう日本食品が販売される場所としては最適であること、また、一度「これはいい」と判断した商品については、本当に大事に売り込み・取り扱ってくれるために、日本の自治体が、香港で物産展を開催する際の場所として、非常に希望の多いスーパーマーケットの1つである。
ただ、理想とする高いコンセプトを持ち、あくまで消費者の観点を大事にした経営をされるため、物産展開催についてもなかなか簡単に了解はとれない(打ち上げ花火的な旧態のイベントとしての物産展では、開催が難しい)というのが、我々駐在員の中での評判でもある。
今回のフェア開催については、鹿児島側では昨年度末の調整段階から、場所としては、「シティスーパーで」という話になっていたが、私が昨年4月赴任後、現地の他県自治体駐在員などから聞く話は「シティスーパーで物産展を開催するのは、きちんとしたコンセプトをもっていないとかなり難しい」というもので、開催は大丈夫だろうかと多少不安もあった。
ただ、今回、このように、大規模なイベントとして開催実現に至り、また、知事のトップセールスも実施できたことについては、改めて、本県の関係者のこれまでのご努力や人脈の広さなどを認識させられると共に、鹿児島の農水産物等県産品が、国内外を問わずに、魅力的であり、競争力を持ち得ていることを再認識させられた。
〜ミニシリーズ 香港の食品市場情報〜
今回は、本レポートの話題と併せて、香港における日本の地方自治体等による物産展・商談会等の開催状況を御報告させていただきたいと思う。
現在では、本県に限らず多くの日本の自治体等が、香港を含む海外に、農水産物や食品関係商品を売り込むことに、力を入れている。香港の他には、シンガポール、そして上海などがその代表的な都市といえるだろうか。
その中でも、在住する日本人及び富裕者層の多さ、また地方空港も比較的その多くが直行便を有する関係などもあり、昨今は、上海が好まれる傾向にある。
しかし、昨年見られた「日本のポジティブリストへの対抗措置か?」と思わせるような、中国政府の一連の対応など、まだまだチャイナリスクも見過ごせないことなどを考えると、そのようなリスクからは縁遠く、また、最近は多くの中国人観光客が訪問し、スーパーマーケットなどで買い物をする、などの動向もみられる香港は、中国市場を見据えたチャレンジの場としても、その市場の魅力は衰えていないと思われる。
その証拠に、今年度も、日本の自治体等による物産展・商談会が数多く実施されており、今回実際された鹿児島の2つの物産展と1つの商談会を除いて、弊事務所が把握している分だけでも、その数は11回(物産展8回、商談会2回、物産展・商談会の併催1回)に及ぶ。
主な開催場所は、今回かごしまフェアの会場ともなったシティスーパーや香港ユニーのほか、香港SOGOやジャスコなどの、いわゆる「日系スーパーマーケット」となっている。
九州では、大分県が昨年11月に物産展、熊本県が今年2月に商談会を開催。また沖縄県は昨年8月に開催された『FOOD EXPO(食品関係見本市)』に独立行政法人日本貿易振興機構(ジェトロ)と共同出展し、泡盛やもずく、ゴーヤー関係商品を売り込むと共に、出展に併せ、沖縄県酒造組合連合会の会長が来港し、香港の沖縄料理店で「沖縄泡盛の宴」を開催するなど、積極的な売り込み活動をしていた。
その他の開催県としては、山形県や福島県、新潟県などの東北、北陸地方の県などが目立っている。
昨年4月に赴任以来、これらのイベントのいくつかを取材してきたが、やはり、物産展、商談会のダブル開催、またそれに併せて知事が来港し、トップセールスを行った本県の今回の事業は、手前味噌になるが、今年度一番大規模なイベントの一つであったと思われる。
勿論、物産展や商談会というのは、あくまで手段であり、大規模であればいいというものでもないし、そのイベント自体に成功も不成功もなく、そのイベント後、鹿児島と香港間でどれだけの取引がなされるかが、一番重要であることは言うまでもない。
香港市場における日本食品市場は、すでに成熟の行きに達している面もあり、他県の先発商品に市場を握られているというものも少なからずあるだろう。
ただ、勿論、本県の農水産物に代表される県産品は、安心安全の面からも、品質、味などの面からも他県のものにひけをとらないものであり、今後の戦略によっては、十分「戦っていけるもの」だと、思う。
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