FOOD EXPO(美食博覧) 報告
広州ジャパンウィーク 報告
ジャパンフェアin広州 報告
貿易ニュース鹿児島 2007.10月号

FOOD EXPO(美食博覧)報告
 去る8月16日(木)〜20日(月),今年で18回目となる「フード・エキスポ(中国名:美食博覧)」が,香港コンベンション・エキシビジョン・センターで開催された。本イベントは毎年この時期(8月)に開催され,主催は香港貿易発展局である。開催期間中の17日(金)に会場を訪問し,状況を調査したので報告させていただく。

 今年も会場となった同センターであるが,例年どおり,一般客も入場でき,商品の「販売」も可能となるホール1と,出展者とバイヤーとの「商談」向けの会場となるホール2に分けられている(ホール2も18(土)〜20日(月)には,一般開放され「販売可」となる)。
 一般向けとなるホール1は,原則として入場料20香港ドル(日本円で約300円)が必要となるが,出展者側は利益を上げるということより,広告宣伝(PR)を目的としているケースが多く,通常の販売価格より安くで販売しているため,会場は大規模な食品バーゲンセールさながらの様相を呈し,来場者は試食・試飲にせいを出し,大量に購入した商品を抱えている入場者も多い。当該イベントに参加するための,中国大陸からのツアーが組まれたりもしており,19日(日)に来場した他県事務所 駐在員の話によれば,あまりの来場者の多さで身動きがとれる状態ではなかった,とのことであった。
 出展者とバイヤーによる商談向けとなるホール2は,通常の展示会のような雰囲気である。今年は,香港,中国大陸,台湾企業は,もとより,ヨーロッパは,スイスやポーランド,イタリアなど,その他にもロシア,カナダ,インド,マレーシアなど,世界各国からの出展がなされている。主催者発表によれば世界14の国・地域から365社・団体の出展とのことである。
 やはり,中国大陸からの出展が目立つが,さすがに今年は,中国食品の安全に対して世界から厳しい目が向けられているので,商談においてもその部分がバイヤー側との論点になっていたようである。

 今年の日本からの出展は,沖縄県関係と熊本市関係の2ブース。
 まず沖縄は,沖縄県酒造組合連合会所属企業から5社,同じく沖縄県物産公社から4社が参加。大きなブースに,ずらりと泡盛や既に香港にも入れられている加工品などの沖縄産品を並べ,「泡盛の女王」も来港し,積極的なPRを行っていた。 沖縄は,昨年度に続いて2年連続の出展であり,ここ香港でも,積極的なPR活動や販売活動がひときわ目を引く。今回も,同イベントへの出展以外に,香港にある沖縄料理の店で「香港泡盛同好会」を開催するなど,在香港の日本人に向けてのPR活動も行っている。出展されていた沖縄県酒造組合連合会の又吉 良秀専務理事にお聞きしたところ,「香港人は,中々アルコールを飲まないということもあるが,香港での経験を活かし,今後はどんどん(中国)大陸にでていく会社も増えていくのではないか」ということである。

 泡盛の女王が,県産品のPRを盛り上げる。

 本県も,8月27日,上海で,商談会や本格焼酎セミナーなどを鹿児島県酒造組合連合会などと共催したが,鹿児島の焼酎,沖縄の泡盛が,香港人と比較するとかなりの「アルコール好き」と言われている中国の多くの方々に飲んでいただくために,今後も官民一体となった継続的な取組が必要だろう。
 もう一つの出展者である熊本市は,ジェトロ熊本センターと熊本市が連携し,同イベントへの出展ミッションを企画。応募した11社による共同ブースで出展していた。同イベントへの出展以外にも,参加企業と日系スーパーマーケットとの商談,また日本料理屋での試食商談会なども実施する,とのことであった。
 熊本県も,昨年度は「くまもと農林水産物等輸出促進研究会」が同じくジェトロ熊本センター及び同香港センターと協力して,香港で食品商談会を実施していたし,また,今年2月にタイ・バンコクで開催された「九州食品プロモーション(ジェトロの九州内地方センター等主催)」にも,JA熊本中央会が参加するなど,沖縄と同様,積極的に海外で食品関係県産品のPRをされているなという印象であった。

広州ジャパン・ウィークで観光PR実施
 去る9月8日(土)〜9日(日)に広東省・広州市で,在広州日本国総領事館,広東省文化庁 等主催により「広州ジャパン・ウィーク」が開催された。
 同イベントは「『2007年 日中文化・スポーツ交流年事業』の一環として,『食』『経済』『観光』『文化風俗』『学習』『交流』の6つのテーマを通じて,明るく楽しい,クールな日本を若者を中心とした広州市民にPRする」ことを目的に開催されたものである。
 挨拶をする吉田雅治在広州日本国総領事館総領事

 開催地となった広州市は,中国華南地域:広東省の省都で,戸籍人口は751万人(実際は,約1200万人の人口がいると言われている)。  深せん市などと共に,中国の経済発展を象徴する都市の一つで,最近では,日本の自動車メーカー:ビッグ3(トヨタ,ホンダ,日産)の工場が勢揃いしている都市としても有名である。
 また,広東省全体をながめると,そのGDP実質成長率は全国平均を上回る14.1%。都市住民の可処分所得も全国平均の約1.4倍で,富裕者層,或いは中所得者層がかなり増えてきている省である。
 本県も,その富裕者層,中所得者層の鹿児島観光誘致を目指し,年1回 社団法人鹿児島県観光連盟と連携し,主要な旅行エージェントへの観光PR活動を実施しており,また九州観光推進機構や北海道なども,毎年11月に同地で開催される大旅行展「広東国際旅遊博」に出展するなど,日本の各自治体などが観光誘致に力をいれ始めている中国都市の一つである。

 今回のイベントの会場となったのは,同市の中心地にある花園酒店(ホテル)。

 前述したようにイベントの目的が「6つのテーマで日本をPRする」ということで,それぞれのテーマごとに,期間中以下のような企画が行われた。
1.『食』→山形県から職人を招聘しての手打ち蕎麦実演,日本酒の試飲会
蕎麦打ち 実演に興味津々 日本酒試飲会に協力した広島本社の賀茂鶴酒造
石川部長と記念撮影してご満悦の若者

2.『経済』→東京大学教授による講演会

3.『観光』→在香港・深せん自治体事務所,国際観光振興機構(JNTO)等による日本観光PR
 九州・沖縄観光ブース

4.『文化風俗』→日本の漫画コミックの紹介,日本旅館女将による着付け体験,茶道紹介 日本旅館おかみに,着物を着せてもらってピース

5.『学習』→日本語エッセイ応募作 展示

6.『交流』→広州日本婦人会による折り紙教室     など

 共催者である在広州日本国総領事館によれば,2日間の期間中の来場者は,3000名を超え,整理券配布などにより入場制限を行わなければならないほどだったとのことである。
 観光ブースで対応した筆者の印象でも,日本語を勉強しているという若者が片言の日本語で,積極的にいろいろ質問をしてきたり,準備した400部の観光パンフレットは,2日目の午前中でなくなるなど想像以上に反応がいい。勿論,鹿児島を知っている,聞いたことがある,という方はごくごく少数であるが,パンフレットやポスターを興味深く見る人も多く,観光マーケットとして,今後も地道な取り組み継続の必要性を再確認した。
 認知度が低い地域での観光PRは,まずは名前と場所を覚えてもらうことが第一なので,今回,このようなイベントで福岡・沖縄と組んでPRできたことは本当に意義深かった。
 法被の試着も大人気

 今回のイベントでは,広州市の主要旅行エージェントに協力をいただき,実際売り出されてるツアー商品のPR(チラシ配布)もしてもらった。その中には,鹿児島空港インアウトとする11月初旬のチャーターを利用した九州ツアーの商品も含まれており,今回のイベントでのPRをきっかけに,このツアー商品の販売が促進することを期待したい。

ジャパンフェア イン 広州 報告
 去る9月15日(土)〜18日(火)に,同じく広州市において,「ジャパンフェア in 広州」が開催されたので,ご報告させていただく。
 同フェアは,今年第4回目を迎える「中国国際中小企業博覧会」に日本が主賓国として参加し,同博覧会の一部として,開催されたものである。主賓国としての参加は,今年4月の日中首脳会談において,温家宝首相から安倍首相(当時)に,「(日本が)今年の主賓国となり,多くの日本企業に参加してほしい」という話がなされ,日本側がこれを受託し決定されたもので,経済産業省中小企業庁及び独立行政法人 日本貿易振興機構(ジェトロ)が主催する形で実施された。

 ジャパンフェアin広州の会場となった広州国際会議展覧センター
 主催者側は当初,出展企業の募集にあたり,200社くらいを目標としていたというが,最終的に実際の出展は,約460社・団体,ブース数は約950ブースに上り,主催者側の予想を遙かに超える結果となった。

 出展料が,基本装飾付きで,一般企業 75,000円,中小企業 50,000円で比較的リーズナブルであったこと,主催者である経済産業省やジェトロサイドが,出展しやすい環境づくりに努めたことなども,多くの出展者が集まった一因だろうが,やはり,広州市という場所が日本の多くの中小企業等からみて「興味はあるけど,まだ行ったことがない」場所であり,このフェアをきっかけに,足がかりがつかめたら,と考えた企業も多かったのではないだろうかと推測する。
 出展者をもう少し詳細に見てみると,業種としては,「機械・部品・素材」関係が202社・313ブースと一番多く,次が「消費財」関係で86社・163ブース,「食品・飲料関係」35社・52ブースと続く。
 その他,自治体や政府系機関が観光PRのために出展をしていたり,福井県のように県がブースを準備し,出展企業は出展料なしで参加できるような形態での出展もなされていた。
 財団法人自治体国際化協会は,日本各地の観光パンフを並べた観光ブースを出展(本県 パンフも設置)

 前述したように,出展数としては3番目であったものの,実際の会場における反応や,フェアの様子を伝えるマスコミ等の反応をみていると,一番反響が大きかったのは,「食品・飲料関係」のブースだった。

 勿論,試食・試飲ができるというところも人気を集めた一要因であろうが,やはり日本食・飲料への「安全,安心でおいしい」という評価がこの広州でも,根付いてきているということだろう。
 全国農業協同組合(JA)のブースでは,今年輸入解禁された日本米の試食が行われていたが,ブースの中が見えないほど,人だかりができ,試食品は作っては消え,作っては消え,という状況であった。    JAの米の試食は大人気

 同フェアには,本県からも2つの企業が出展した。まずは,濱田酒造株式会社。出展にあたっては同社の上海事務所が対応され,社員2名の方が参加。濱田 公子さんに話をきいたところ,「興味をもって試飲する人が多いような気がする」とのことで,まずは「口にしてもらう」ことへの反応は比較的良かったようである。
 同社の出展は,香港・華南で発行されている日系日刊紙でも取り上げられていた。 
 試飲する来場者でにぎわう濱田酒造のブース

 また,もう1社は輝北プレスウッド株式会社。同社のゼネラルコンダクターの徳留 隆さんが対応。同社のブースは,製品である木材で,独自に装飾され,ブース内には県内の公共施設や学校などの施工実績の写真が展示されるなど周辺ブースと比較してもひときわ目をひき,こちらも,足をとめる来場者が多かった。
 熱心に製品の説明を聞く来場者が多かった輝北プレスウッド社のブース

 特に,徳留さんから,通訳を介して,商品の特徴などを熱心に聞き出すために,長い時間ブースに滞在する来場者もいたようだ。

 フェア全体としては,予想以上の出展者,来場者により,入場受付場所での不手際など,若干の運営的な問題はあったようだが,中国サイドとの共催ということもあり,これはある程度予想されたことであろう(中国はこのような展示会による海外からのビジネス客呼び込みを積極的に進めているが,実際の運営などは,まだまだ精錬されているとは言えず,実際,日本から来たと思われる日本人が,遅々として進まない(にも関わらず,少しも急ごうとする態度を見せない)入場受付会場で,日本語が少しだけわかる中国人スタッフを怒鳴りつけている場面に遭遇した)。
 とはいえ,全体総括としては,ジェトロなどの主催者側がいろいろな面で出展者のサポートをし,他のフェアなどと比較すると,費用負担少なく,また容易に出展できるような環境を整え,これだけ多くの日本企業の参加に結びつけたことは評価できるだろうと思う。
 また,出展企業の中には「中国で開催されるフェアへの出展は今回が初めて」という中小企業も多かったようなので,それだけでも今回のフェアは,開催の意義があったのではないかと感じた。なんといっても,海外ビジネスは,まずは「とにかく足を運んでみること・参加してみること」から始まるのだから。