| 上海で「九州食品フェア&九州食品商談会」 |
貿易ニュース鹿児島2008.3月号
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| 年が明けたばかりの1月9日,上海市南京西路の高級百貨店「久光百貨」において,塩谷熊本県知事や隈丸在上海日本国総領事出席のもと,「九州食品フェアin上海」のオープニングセレモニーが開催された。また,近くの国際貴都飯店においては,「九州食品商談会」も開催された。 通常,この種のフェアや商談会は,単独自治体で実施するのが通例であるが,このように各県が連携して,合同で開催するのは画期的でなことである。 今回は,この「九州食品フェア」と「九州食品商談会」について,開催までの経緯と実施状況について報告したい。 「九州食品フェアin上海」オープニングセレモニーの様子1 開催までの経緯 九州では,沖縄県と山口県を含め,各県の知事で構成する九州知事会というのが設けられている。この知事会において,将来の道州制も見据え,各県の対応を調整し,共同・広域で事業を実施したりする「政策連合」の中で,各県産品の輸出促進に関し,上海において合同物産展・合同商談会を開催することが,2006年に合意したところである。 国内市場が縮小する中で,中国に近い九州としては,やはり中国を巨大マーケットとして,今後県産品の販路を拡大していきたいというのが,九州各県の共通の認識である。 これを受け,実施部隊となる九州貿易振興協議会(九州・沖縄県の8県で組織)で実施方法について協議を重ね,2008年1月実施に至ったところである。 九州貿易振興協議会は,これまでも香港とシンガポールで交互に開催される大規模見本市に1999年から共同でブース出展してきた。最近では,2006年5月に上海で開催された大規模食品見本市「SIALチャイナ2006」にも出展している。しかしながら,自らフェアと商談会を企画して実施するのは,今回が初めてであった。同協議会の幹事は,毎年各県の持ち回りとなっており,2007年度は熊本県である。 その熊本県において,素案が作成され,2007年5月の九州貿易振興協議会第1回運営委員会において,08年1月中旬に食品フェア(於:久光百貨,期間:1週間)及び食品商談会(於:上海市内ホテル,期間:2日間)の実施概要が承認され,同月に開催された九州知事会にも報告された。これで,ようやくスタートラインに立ったところである。 2 出展者の募集 食品フェアについては,販売品目100点を目処に,既に上海で流通している商品60〜70品目に加え,新たに新規輸出品30〜40品目を集めることとした。「中国で売れるもの」を販売するために,事前にバイヤーを九州に招聘し,商談することになった。事前招聘する業者は,フェアの事業受託者であり,上海,蘇州,北京で日本人向け食品を販売するスーパー「しんせん館」を展開する上海石橋水産である。同社は,これまで農林水産省が実施した日本産食品常設店舗販売事業である「日本味の市」や福島県産品フェアなどの受託実績があり,この種のイベントの開催ノウハウを有するし,自社店舗でも日本産食品を積極的に販売しているところである。 8月下旬にこの事前商談会が開催され,各県の呼びかけを受けた対中国輸出に意欲を持つ業者が熊本県に集結した。新規輸出品については,通関に要する日数が読めないため,概ね6ヶ月程度の消費期限を要するものに限定した。その結果,新規輸出品で約40品目,既存商品110品目の計150品目でフェアを実施することになった。 一方,商談会についても,各県から参加企業を募ったところ,17の企業・団体から応募があり,50品目で実施されることになった。 3 商談会について 商談会は,1月9〜10日の2日間,上海国際貴都飯店で行われた。商談会の受託を受けたJETRO上海センターにおいて,現地業者への告知及びアレンジが行われ,来場者は,上海で日本産食品の輸入実績がある企業を中心に23社を数えた。商談会場には,商談スペースとは別に,商品展示スペースを設け,参加者の商品を展示した。また,周囲には各県の観光ポスターを展示し,雰囲気を盛り上げた。 これまで,この種の商談会は各県が個別に実施しており,単県では商品数も少なく,来場者にもあまりメリットはなかった。今回は,食品だけで17社集まったのであるから,大したものである。来場者も,「1度に多くの商品を見ることができるメリットは大きい」と評価している。 しかしながら,やはり商品によっては温度差があり,調味料や菓子類,焼酎類で商談数が多かった反面,中国人になじみのない海産物や漬け物などは,あまり芳しくなかった。 それでも,2日間で93件の商談が行われ,成約4件,成約見込み8件,代理店申込み3件となった。この種の規模の商談会としては,評価できるところである。 合同商談会の様子4 食品フェアについて 前述したように,「九州食品フェアin上海」と銘打ったフェアでは,約150品目が販売された。その内訳は,おでんネタ,いわしハンバーグ,さかなドーナツなどの水産加工品,ブリ刺身,もずく,辛子明太子,味噌,醤油,ドレッシング,ポン酢,柚子胡椒などの調味料,漬け物,フルーツゼリー・プリンなどの果物加工品,お茶加工品,島原そうめん,長崎チャンポン,皿うどん,こんにゃく麺などの麺類,焼酎,泡盛,それに菓子類などである。もう少し,水産品関係があれば良かったと思うが,やはりこれだけそろうと見栄えがする。1月下旬に浦東地区のスーパー・ヤオハンで実施された北海道フェアが水産品を中心に120品目だったので負けていない。 九州食品フェアの様子中国人が初めて見る商品も多く,フェア会場では,試食に多くの人が群がった。やはりこの種のフェアでは,試食は大事である。もずくなど他店にはほとんどないような商品が売れたほか,練製品,菓子類などがよく売れていた。価格が比較的安く,簡単に食べられるのが理由と思われる。特におでんは大人気であった。当地のコンビニなどでもおでんは販売されており,なじみがあるのだが,やはり質は日本産が良い。 一方で,醤油や酢,ドレッシングなどの調味料は,それだけで味わえないせいか,苦戦していた。価格が高く,中国人が使用方法を知らないという理由であると思われる。 また,日曜日には大分県のハーモニーランドの縁で,中国でも人気のキティちゃんが来場し,会場を盛り上げた。さらに,一定金額以上の商品購入者には抽選で各県の特産品が当たるなど,趣向を凝らしたものとなった。 キティちゃん来場4 最後に 今回は,塩谷熊本県知事を団長として,企業,県庁関係者など29の企業・団体から51名が上海入りした。帰国時は,濃霧の影響で,空港で延々待たされたあげく,翌日に回されるといったアクシデントもあったようであるが,各参加者ともそれなりに上海の活気や市場としての有望性を感じ取れたと思う。 九州合同で実施ということで,注目度も高かったわけであるが,鹿児島県からの参加企業は商談会0,フェア販売6社14品目(うち新規輸出は1品目のみ)であった。もちろん,各社それぞれ事情はあろうが,やはりこのような機会は積極的に利用してもらいたいものである。海外市場を開拓するに当たっては,行政が費用を重点的に負担する今の時期が望ましい。この機会を逃すと,自らの負担が増えるだけでなく,他地域の類似製品に市場を奪われることになる。 中国での九州の知名度はまだまだである。北海道は,中国で人気を博した高倉健の映画の影響で広く認知されており,広大な自然と雪景色,食の産地というイメージが定着している。 単独自治体で勝負するには,中国はあまりに大きい。中国人にとっては,日本の○○県産というのは,あまり意味がない。ようは,どれだけ魅力的な商品を提供できるかである。 我が鹿児島県の農業生産高は,北海道に次いで全国2位である。水産養殖品でもブリなど全国一を誇るものも多く,日本の食糧供給基地としての地位は確立している。国内市場が縮小する中,その販路を海外に求めるのは当然であり,とりわけ中国に対しては,継続する経済成長とそれによる所得の向上を背景に期待が大きい。確かに検疫等の問題で畜産品は輸出できないし,生鮮品もリンゴ,梨,米のみと,まだまだハードルは高いが,伊藤知事が常日頃言っているように,10年後を見据え,アジアへの食料供給基地としての地位を確立するために,積極的に取り組んでいかなければならない。 |
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