2006.5月号
 貿易協会会員の皆様、初めまして。
 平成18年4月から、鹿児島県上海駐在員としてJETRO上海センターに勤務しております徳田です。前任の宮内駐在員に替わりまして、海外レポートをお届けすることとなりました。2008年の北京五輪、2010年の上海万博を控え、ますますの経済成長が見込まれる中国、その中でも発展著しい上海の様子を中心にお知らせしたいと思いますので、よろしくお願いします。
 さて、第1回目は、会員の皆様も利用する機会が多い上海市内のタクシーの状況についてレポートします。
 上海市内には、5本の地下鉄路線があり、さらにバス路線が網の目のように張り巡らされています。しかしながら、私が居住し、仕事をしている虹橋地区(虹橋空港を含むエリア)には地下鉄は通っておらず、バスも地名をほとんど認識していない現時点では、利用しづらいものです。自らは車の運転もしないため、必然的にタクシーを利用する機会が多くなります。ビジネスや観光で来られる皆さんも同じような状況だと思います。
 統計によると、上海市内には、約150万台の自動車があるそうですが、このうち約4万台超がタクシーです。日本の数値は分かりませんが、自家用車はまだあまり普及していませんので、この数は相当に多い数字だと思います。
 上海のタクシーの初乗り料金は3km10元(1元は約15円)で、以降1キロごとに2元加算されていき、10kmを超えると1kmごとに3元加算されていきます。料金も安く、流しのタクシーも多いので、外国人にとっては利用しやすく、ありがたいものです。
 ところが、ひとたび雨が降ると、状況は一変します。タクシーがなかなか捕まらないのです。特に帰宅時間である夕方5時から7時にかけては最悪で、2時間以上待つことはざらです。このため、雨が降らないうちに帰宅するか、すでに降っている場合は、2、3時間残業してから、帰宅するというのが賢明なようです。
 さて、タクシーの運転手ですが、上海のタクシーは登録制で、それぞれ登録証が交付されており、運転席横に掲示されています。登録番号の頭に0がついているなど若い番号は、運転歴が長いベテラン運転手が多いので、技量も確かで安心して乗ることができます。また、裏道等もよく知っています。反対に番号が大きなタクシーは、まだ登録より日が浅いので、運転も荒く、道を知らないことがよくあります。(もちろん、前歴がやはり運転手という人もおり、その場合はタクシーの運転手歴は短くても、経験十分です。)
 中国では、すべての道に○○路という名前がついています。このため、タクシーに乗って目的地を示すときは、誰もが知っているような施設は別にして、たいていは○○路と○○路の交わるところといった形で、行き先を示します。小さな道路については知らない場合が多いので、まず○○路を行って、○○路で左折し、○○路に入ってくださいというような形で指示します。この道路を知らないので、乗車して行き先を示しても分からないといい、降車しなければならなかったことも何回かあります。

登録より日は浅いけど、3つ星。たいしたものです。

 また、タクシーの運転手の技量に応じて、登録証に星印がつけられています。星がないのは未熟、3つ星は技量十分といった感じです。なお、その中でも「優質車」という看板を掲げたタクシーがトップクラスで1回乗車する機会がありましたが、運転技術や接客術などやはり違うというのを実感しました。この星を獲得するためには、試験に合格する必要があり、英会話力も要求されるそうです。ですから、ベテラン運転手であっても、星がない人も当然います。

「優質車」の文字が誇らしげに見えます。
 さて、日本では長時間タクシーに乗るときは眠り込んでしまうこともありますが、上海ではそういうこともできません。車の量が多く、運転も荒いので、いつ事故に遭遇するか分からないのです。ベテランの運転手であっても、ぶつけられることもあるので、絶えず周りに注意しておく必要があります。事実、交通事故は頻繁に見かけます。
 次に、上海のタクシーの便利な点を2つ紹介します。
 1つは、領収書が自動的に発行されることです。目的地に着いて、お金を払うと、プリンターが動き出し、レシートが印刷されます。レシートには、乗車時間、降車時間、走行距離、料金が記載されています。会社名、車両番号なども記載されていますので、もし社内に忘れ物をしたとしても、その番号に連絡すれば、見つかる場合があります。また、苦情を言う際にも有効です。ですから、領収書は必ずもらうようにしましょう。

  自動的にレシートが印刷されます。
 この自動領収書発行機が搭載されたおかげで、料金をごまかされたりとか、遠回りすると行ったような事例は減少しているそうです。
 さて、もう一つは、ICカードが使用できることです。鹿児島でも電車やバスにICカードが導入され、便利になっていますが、当地上海でも「公共交通カード」という名称で導入されており、その名の通り、ほとんどの公共交通機関で利用できます。具体的には、タクシーのほか、地下鉄、バス、フェリーなどです。中国では、100元紙幣が最高額紙幣ですが、偽造紙幣が出回っていることもあり、受け取りの際は必ずチェックされます。タクシーで100元札を出すといやがられることが多いのですが、カードを利用すれば問題ありません。また、小銭がないときにも重宝しています。
 カードは、購入時に保証金として30元が必要ですが、これは最終使用後カードを返却すれば、返金されます。残高の積み増し(チャージ)は駅や提携のコンビニでできますが、鹿児島みたいに車内ではできません。私のようにタクシー利用が主の場合、チャージのたびごとに駅やコンビニに行かなければならないのが不便ではありますが。
 ところで、最近の原油価格の高騰を受け、料金が値上げされることになりました。初乗り料金は11元、1キロあたりの加算料金は2.1元になる見込みと報じられています。平均的に利用する距離(5km)で計算すると8%の値上げになります。よくタクシーを利用する身としては、影響が大きいので、原油価格の沈静化・安定化を願います。

 さて、このような形で現地ならではの生の情報をお届けしたいと思いますが、会員の皆様のご要望等あれば、事務局宛リクエストしてください。可能な限り、皆様が望む情報を提供したいと思います。
 また、皆様が上海に来られる際には、当事務所にお立ち寄りいただき、情報交換などさせていただければと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。

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