上海のお隣の浙江省の杭州市では,現在「2006杭州世界休閑博覧会」(通称:杭州レジャー博)が開催されています。会期は,2006年4月22日から10月22日までの半年間です。博覧会のテーマは,「レジャーが市民の生活を変える」で,主催者は,国家旅遊局,国家体育総局,浙江省人民政府,中華全国工商業連合会,中国商業連合会で,実行委員会は,江蘇省人民政府,蕭山区人民政府,宋城集団で構成されています。
レジャー博会場は,杭州駅から車で30分ほどの杭州市蕭山区です。蕭山区は杭州市内を流れる銭塘江の南岸に位置し,行政組織としては杭州市の下の県級の区になります。人口は約115万人で,経済技術開発区が設置されており,日本をはじめとする海外26カ国から300社以上の企業が進出しています。県級の都市では,中国でも有数の経済が発展している都市で,浙江省で第1位,全国でも第7位にランクされています。
宋城集団は,浙江省にある国内最大のレジャー関連の民間企業グループで,レジャー博会場付近に「杭州楽園」という遊園地を有しています。今般,同地区の再開発を計画し,遊園地に隣接してホテルや分譲マンション,劇場などを建設しています。
レジャー博会場の総面積は約10平方キロメートルで,遊楽区(遊園地),海灘区(ビーチ),水城区(都市パビリオン)の3つから構成されています。入場料は,大人1人120元(1元は約14.5円)とやや高額ですが,夕方5時半以降の入場は60元になります。また,70元を追加すれば,期間中通しで有効のパスポートに切り替えることができます。

会場入り口
水城区(都市パビリオン)
水城区全体は,イタリアのベニスをイメージして街が構成されており,運河が張り巡らされています。その中に6つの島があり,それぞれの島に5階建てのマンションが並んで建設されています。合計すると,100棟近いでしょうか。なかなか壮観です。ベニスには行ったことがないのでよくわかりませんが,どちらかというとハウステンボスのような感じです。
これらのマンションは,博覧会終了後には,一般に分譲されることになっており,建物の1階部分が各都市の出展ブースになっています。ブースには,中国国内及び海外37カ国の83都市が出展しており,九州観光推進機構で出展している九州館もここにあります。
駐車場やイベント広場に近く,比較的行きやすい場所には,中国国内の都市が出展しています。中国のパビリオンは,名所・旧跡の模型を配置したところが多く,名前を知らない都市もあり,旅情をそそられます。そのほか,アジアや欧米,アフリカなどのパビリオンも趣向を凝らしており,世界旅行をしているような感じです。数が多いので,すべてを見学するとなると,1日かかりそうです。
水城区内は,ブースの前が幅2〜3メートルの歩道になっています。隣の島へ移動するには橋を渡るしかなく,しかもこの橋も2階に上るような感じなので,見学には結構不便です。博覧会終了後は,住宅街になるとのことですが,見栄えは良くても,機能性は悪そうで,果たしてマンションの購入者がどれだけあるのかと心配してしまいます。また,運河の水もなみなみとしており,大雨の時にはあふれてしまうのではないかと,これまた余計な心配をしてしまいます。
九州館をのぞいてみますと,見学客も比較的多くいます。桜の木の模型や顔抜き人形が人気があるようで,盛んに写真を撮っています。また,温泉やグルメの紹介のほか,DVDも放映されています。館内には,九州観光推進機構から委託を受けた上海の広告代理店が手配したアルバイト学生が2名配置されており,来館者の対応をしています。彼女らに状況を尋ねたところ,7県の中では,鹿児島がもっとも知名度が高いとのこと。理由は分からないとのことですが,これまで地道に行ってきたセミナー・セールス活動の成果でしょうか。
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| 水城区(都市パビリオン) |
九 州 館 |
遊楽区(遊園地)
ジェットコースターなど複数の絶叫マシンや観覧車,メリーゴーランド,ぬいぐるみなどをゲットできるゲームコーナーなど,まさに日本にある遊園地と同じです。ウルトラマンワールドというアトラクションもありました。規模はそれほど大きくなく,閉園したジャングルパークを一回り大きくした程度でしょうか。ゲームコーナーが多く,1回8元程度でダーツや輪投げ,ボール入れにチャレンジでき,点数により,小から特大のぬいぐるみをゲットできます。比較的簡単なようで特大(80センチ程度)のぬいぐるみを抱えた客を何人も見かけます。こんなに簡単にとれて,採算が合うのかと心配してしますが,お隣の江蘇省には,大規模なぬいぐるみ工場がいくつもあり,安価で供給されているようです。
また,ショーを観覧できる劇場もあります。収容人数はおそらく1000人以上はあろうという大きなものです。巨大なプールがステージになっており,プールには,可動式の舞台が設置されています。これが出たり入ったり,また浮いたり沈んだりして,その上でスケールの大きな水上ショーを見ることができます。毎日何かしらの演目が上演されており,この日はマルコポーロの史実をアレンジしたショーが上演されていました。映像や音響効果,炎や水を使用した演出もあり,かなり大がかりな仕掛けです。昔,ラスベガスで見たショーを思い出させます。時間は50分程度で,出演者は100名以上いたようです。
海灘区(ビーチ)
人口ビーチを挟み,片側にはレストラン街,反対側には観客席が設置されています。まだ,上演は始まってはいないようですが,屋外で水上パフォーマンスを見学できるような設備になっています。また,水城区(都市パビリオン)の運河を巡る遊覧船もここから出ています。そのほか,街の構成は,海賊をイメージしたものや熱帯のジャングルをイメージしたものとなっています。ビーチのそばには,国際美食街が設置されており,中華のほか,日本や韓国,インドなどの料理を提供しています。

国際美食街
レジャー博に併せ,会場内に4つ星級のホテルが2棟建築されているほか,蕭山区内に新たに4つ星級のホテルが2棟建築されています。また,蕭山区内をタクシーで走ると,あちこちでマンションが建設されており,街の活気を感じます。
視察したのは,開幕から1ヶ月が経過した5月下旬の土曜日でしたが,労働節の連休があったこともあり,入場者数はすでに100万人を超えたそうです。開館の10時には,駐車場にバスが次々に到着し,見学者が入場口に列をなしていました。
中国では,まだまだ国民全体が余暇を楽しむという状況にはなっていないように思えます。それでも,連休には旅行に出かける人も確実に増えていますし,いろんな娯楽施設もにぎわっています。今回のレジャー博のテーマは「レジャーが市民の生活を変える」ですが,我々,中国在住の外国人もこのようなレジャー施設が増えれば,楽しく過ごすことができますので,これを機に中国人の生活スタイルが変わっていくことを節に期待します。
杭州は,ほかにも観光地として名高い西湖があり,上海からも列車で2時間と比較的近いので,人気の高いスポットです。この夏,是非杭州まで足を伸ばし,レジャー博を見学し,ミニ世界旅行を体験してみませんか。
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