歴史と文化の名城 −江蘇省淮安市楚州区− 
     日本貿易振興会上海センター 鹿児島経済交流部 李維佳


淮安市楚州区
 江蘇省淮安市楚州区は京杭(北京・杭州)大運河と蘇北灌漑総渠との交差点に位置しており、土地が平坦で、四季がはっきりしている気候の温暖な地です。総面積は約1,600ku、人口は約122万人の都市です。  
 2001年2月までは県レベルの淮安市でしたが、行政調整により以前の江蘇省淮陰市が淮安市となり、元の淮安市は楚州区となりました。楚州は2100年あまり前に県として設置され、長いこと杭州・蘇州・揚州とともに古運河沿いの「四大都市」と言われてきました。
 そして、有名な「西遊記」の作者である呉承恩、民族的英雄である梁紅玉、関天培などもこの地に生まれました。また偉大な周恩来総理の故郷としても世間に知られています。1986年には、国務院から「全国歴史文化名城」として認められました。
 
      周恩来記念館

楚州区の投資概況 
 この度、淮安市楚州区で開催された投資説明会に出席するため、現地を訪れました。上海から車であれば約4〜5時間で楚州区に到着します。滬寧(上海・南京)高速及び京滬(北京・上海)高速の完成により、以前と比べかなり時間が短くなりました。
 現在インフラ整備中で、今年中に完成する予定である楚州工業園区の計画面積は4kuであり、第一期工事では1,000ムー(66.667ha)の土地を開発、ハイテク産業を主とした産業構造で、軽工業・紡績、機械、電子、新材料、エネルギー、医薬などのプロジェクトを重点的に導入する予定としています。
 楚州区人民政府の肖本明 区長によると、楚州区のメリットは廉価な労働力と土地とのことです。区内には紡績関係の熟練工がたくさんおり、月給は400−500元(約6,400−8,000円)、管理層でも月800−1,000元(約12,800−16,000円)、区内の土地は1ムー(6.667a)当たりの使用権が1.7万元(約272,000円)で使用期限は50年間、建物の委託建設や投資者による建設も可能とのことです。
 優遇政策では10年間以上経営する企業に対して、企業所得税の5免5減を実施、また、ワンストップサービスにより、土地使用権の買い付けや企業設立にかかる手続きに便宜を図る体制を整えており、必要な書類をまとめて一人の担当者に頼めばすべての手続きができます。
 現在、楚州区に進出している外資企業は20社ですが、稼動している日系企業は1社も無いそうです。しかし、日本に製品を輸出している企業はいくつかあるようです。主な輸出製品は、Tシャツ・パジャマ・タオルなどのニット製品や制服・帽子などです。
 そのほか、楚州区の重点産業の一つに岩塩があります。20数年前に淮安市の地下900〜1,200mに大きな岩塩の地層が発見され、現在では江蘇省の食塩市場の約6割を占めています。区内にある江蘇省井神塩業有限公司は、江蘇省塩業グループに属する現代国有岩塩生産企業です。全国の食塩指定生産企業として先端技術・設備を利用して年30万トンの真空製塩の能力を有します。また対外貿易輸出入経営権を持っており、日本・韓国・フィリピン・シンガポールへも輸出しているそうです。安価で優れた品質の塩は、国内外で良い評判を得ているとのことでした。
        
        工業園区                               繊維工場

最後に

 区の共産党委員会書記・副書記、区長、工業園区管理委員会などの幹部は、説明会及び招宴の場で、投資誘致について参加者と熱心に意見交換を行っていました。
 現在、中国内には数多くの開発区があります。投資を行う際は、実際に自ら現地を訪れ、政府関係者や進出企業などから充分に情報収集を行うことをお勧めします。
 
           説明会場