万博申請成功 上海NOW 
     日本貿易振興会上海センター 鹿児島経済交流部 李維佳

 2002年12月3日、万博申請成功のニュースが流されたことにより、上海は眠れない街となりました。上海市の繁華街である南京路歩行街では、集まった数万人の上海市民が熱狂しました。  
 今回の万博は初めての発展途上国開催で、上海の急速な発展が評価された結果だと思います。上海は中国最大の都市の一つであり、そして世界に知られる大都市でもあります。今まで、国際商会年会、APEC(アジア太平洋経済協力会議)などの大規模な国際会議を開催し、成功を収めてきました。中国が万博開催を申請した目的は、中国をさらに世界と融和させ、開放を拡大させるためです。万博の開催を通して、世界各国から国際化の経験を学びます。国民の支持率は90%を超えました。
 万博の主要会場は「上海の母親」とも言われる黄浦江の東岸を選定し、支流沿いの白蓮地区が中心となります。同地区は上海に来た最初の移民が集まったところで、300年の歴史を持っています。万博のために、1,000戸計3,000人ほどの住民、そして区内すべての工場が引越す予定です。万博園建設の企画はフランスの建築設計事務所が担当し、園地は南浦大橋から盧浦大橋まで、また黄浦江をまたぎ、浦東の展示館をあわせて30万uもあり、200以上の国・地区のブースを収容することができます。
 今回の設計は「人と自然の調和は都市発展の重要な主題」をテーマに、「空中花橋」、「楕円運河」、「植物走廊」という三つの核を中心に建設されます。会場は浦東と浦西に分布するため、両岸の間に架け橋をつくります。水面からの高さは200mで、橋の両側はさまざまな花で飾られ、遠くから見ると、まるで虹のような花橋となるので、「空中花橋」という名がつけられました。「楕円運河」の内部はメイン展示会場、外部はサブ会場を設けます。運河沿いに幾つかの埠頭をつくり、黄浦江の水を導入して、船で往復することとなります。「植物走廊」は各種の緑色植物を使い、大規模な緑地とつなげ、主要歩行通路として建設します。ほかに「都市は生活をより良くする」を主題に、四、五ヶ所のテーマ会場を設立します。
 上海の主な出入口の一つである浦東国際空港は第二期工事が竣工された後、年の取り扱い人数は延べ4,000万人になる予定でした。万博の申請が成功したので、これから観光客やビジネスマンがかなり増える見込みで、万博の期間中、上海に来る客数は延べ7,000万人になるのではないかと予想されています。このため、現在、第二期工事の計画は、2004年に滑走路を竣工し、2007年にターミナルを正式に使用できるよう変更されました。収容量は以前の計画より倍に拡大されます。
 「経済分野のオリンピック」といわれる万博は、これからどのように上海及び中国に影響を与えるかが世界から注目される問題であると思います。改革開放から20年以上経った中国経済は、毎年7%を超えるスピードで前向きに進んでおり、将来十年間このスピードを保ち続け、2010年までに中国全体のGDPを2兆米ドルまで引上げることを目指しています。
 現在、上海人が最も関心を持っている問題は、「万博は幾つの就職チャンスを増やすか」、「万博の入場券はいくらか、値段は普通の市民にも受け入れられるか」、「万博の期間中、上海の交通はどうなるか」、「自家用車ナンバープレートの競売の値段は高くなるのか」、「上海の環境は綺麗になるか」、「上海の不動産は大幅に値上がりするか」といったことです。
 150年前に誕生した万博は、人類文明の成果を交流する場であり、今まで発展途上国の申請は成功したこともありませんでした。世界最大の発展途上国である中国の申請成功は国際展示事業の発展に力を入れるとともに、万博に一つの歴史を刻み込みました。
 これから上海及び中国の発展が注目されますが、一上海市民としても、2010年の「万博・イン・シャンハイ」が今から楽しみです。