会員者情報
企業名 | 株式会社川原自動車部品商会 |
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所在地 | 鹿児島市卸本町5-12 |
電話 | 099-260-2471 |
名前 | 代表取締役社長 川原 忍 氏 |
インタビュー(貿易ニュース鹿児島2004,6月号掲載)
県内に70社ほどある自動車部品卸売会社の中で,売上高1位,九州でも2位という実績を誇る川原自動車部品商会は,昭和33年,知覧町で創業した。
戦後,知覧で家具店を経営していた父親が事故で足を痛め,家具店の経営を断念。そのころ出始めた自転車オートバイに将来性を見出し,昭和28年に川原社長の兄(現会長)がオートバイ販売を始めた。
5年ほど続けたが,下取りのある商売は利益を生みにくいと考え,昭和33年にオートバイ部品販売店として再スタートした。ちょうどホンダのカブやスズキのモペットという50ccのオートバイが出始めた頃である。当時は,県内の道路のほとんどは未舗装であったため,パンクや故障が多く,オートバイ部品がよく売れたという。昭和40年には鹿児島市に営業所を開設,42年には(株)川原自動車部品商会を設立し,兄が初代社長に就任した。
愛知県の自動車部品メーカーに勤務し,これからは自動車の時代だということを肌で感じていた現社長は,鹿児島営業所開設と同時にUターンして同営業所の責任者(社長就任は平成3年)となった。また,株式会社となってからは,弟(現専務)も経営に加わって3兄弟体制になり,48年には鹿児島市卸本町に本社社屋を落成・移転した。以来,販売網を拡大し,現在では,県内の10営業所を拠点に,自動車整備工場,ガソリンスタンド,中古車センター,カーディーラー,タイヤショップ等を対象に自動車部品・用品,タイヤ,工具等を販売している。
川原社長は,今後ますます高齢化が進む車社会において,車にたずさわる多くの皆様に,車の保守管理及びモラルの問題等を重視し,事故の無いよう各自の自主管理をお願いしたいと常々考えているという。
さて,川原自動車部品商会と海外との関わりである。現在は,海外との直接取引は少なくなったが,昭和50年代には,中古部品を輸出したり,カー用品やアクセサリーなどを輸入しており,頻繁に東南アジアや台湾などに出かけていた。台湾から輸入した竹製のビーズクッションなどいくつかの商品は,全国的にも大ヒットしたという。また,このような商取引だけでなく,昭和59年には,飢餓に苦しむエチオピアで救援物資輸送にあたっていたトラックの修理用部品約7百個を贈って,現地から大変感謝され,当時の南日本新聞でも大きく取り上げられたこともある。
川原社長によれば,厳しい競争に勝ち抜き会社を成長させるために心がけてきたことが三つある。ひとつは,今後顧客が何を求めるかなど常に時代の流れをよく読むこと,二つ目は,取引先との信頼関係を築くこと,三つ目が,社員が働きやすい環境を創ること。同社では,社員の住宅確保,年金基金への加入など福利厚生面には特に力を入れており,その結果,社員の定着率は極めて高く,約半数が設立当時からの社員であるという。
豪放な中にも優しい心配りが感じられる川原社長,古くからの貿易協会会員として当協会に対する温かいアドバイスもいただいた。九州一の自動車部品卸売会社を目指して,一層の発展を期待したい。
(貿易ニュース鹿児島2004.6月号掲載)