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斯文堂㈱

会員者情報

企業名 斯文堂株式会社
所在地 鹿児島市新屋敷町14-16-2F
電話 099-226-2092
名前 常務取締役 内野 俊之 氏

インタビュー(貿易ニュース鹿児島2006,11月号掲載)

常務取締役 内野 俊之 氏

今回は,本誌「貿易ニュース鹿児島」の印刷,製本をお願いしている斯文堂印刷株式会社を訪問し,お話をお伺いした。

 斯文堂は,本業の印刷業者として県内では老舗で大手であるが,近年は「TJカゴシマ」といった月刊誌や温泉・旅,グルメ,ファッション雑誌などを幅広く出しているパブリッシャー(出版社)としての顔の方が県民には馴染みが深いかもしれない。

 昭和55年に発行されたTJカゴシマは鹿児島で初めてのタウン誌である。県内の旅,温泉,グルメ,イベント,映画・コンサートなどの最新情報を掲載し,特に若者層に支持されてきた雑誌である。県内の主要な書店,コンビニにおかれ現在3万6千部が発刊されている。
 さらに「温泉」,「グルメ」,「ブライダル」,「家づくり」,「夏イベント」といったジャンル別に掘り下げたムック本・ガイドブック本も好評である。こちらは,TJカゴシマの別冊版として2~3年毎に再発行され,保存版として重宝がられている。
よりターゲットを絞り込んだこれらムック本は読者とクライアント(広告依頼者)を直接つなぐ仕掛けがいろいろ盛り込まれていることから,宣伝・販促効果が大きいとクライアントに喜ばれているという。

 平成12年には,高校生,大学生などのティーンをターゲットにした「ネーム」という月刊誌を発刊している。「ファッション・アパレル」,「音楽」,「アート」などに絞り込んだ内容は流行に敏感な若者の支持を得ている。こちらは月に2万部の発行だ。

 しかし現在,タウン誌も厳しい環境にはある。フリー紙(誌)の台頭,インターネット,携帯電話などの急速な普及,県外資本の参入などである。
 これらの影響を受けて維持発行部数が落ち込んだ時期もあったが,最近はかなり持ち直し安定さを維持しているという。
 地域密着型の役立つ情報,足でかせいだ価値ある情報,充実した内容が堅調な購買につながっているようだ。

 もちろん,タウン誌,ムック本だけでなく,印刷,デザインの分野でも高い評価を得ている。今,官公庁の主要なポスター,パンフレット,広報誌等はデザインコンペ・企画コンペで厳しい審査を経て選定されているが,斯文堂はこれら厳しい競争を勝ち抜いてよく受注している。企画力・デザイン力のある証拠だろう。

 もちろん官公庁だけではない。企業,クライアントが求める多様なニーズに対して市場調査に基づく戦略的な販促活動,宣伝活動を提案し,クライアントのメッセージを的確に伝えたいと願っている。

 環境保護が叫ばれて久しい。特に,紙に対しては世間の関心も高い。
 このようなことから環境保護にも積極的に取り組んでいる。官公庁の印刷物はほとんど再生紙であるが,民間企業にも再生紙を使ってもらうよう積極的に働きかけている。 印刷を出力する機械も省資源型で,汚染物質の排出の少ない機器を導入している他, インクも自然素材から作られた大豆油インクを使うなど会社をあげて環境運動に取り組んでいる。
 また,リサイクル運動の一環として「TJカゴシマ・ガレージセール」と銘打ったフリーマーケットを20年ほど前から開催している。これらの姿勢が評価されて平成13年には印刷業者として県内では初めて「ISO14001」の認証を取得している。

 印刷・製本・情報誌を巡る環境は,AT機器やインターネットの普及などで厳しい環境にはあるが,これまで築いてきた信頼,実績を基に企業のよりよきパートナーとして,また,いいものをじっくり作り読者に最新の価値ある情報を発信できる印刷,出版業者として着実な発展を目指している。

(貿易ニュース鹿児島2006.11月号掲載)

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