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金属・機械

㈱ヨシカワ

会員者情報

企業名 株式会社ヨシカワ
所在地 川内市港町360-31
電話 0996-26-3388
名前 代表取締役社長 吉川 修 氏

インタビュー(貿易ニュース鹿児島2003,5月号掲載)

2003.5.mr.yoshikawa

 株式会社ヨシカワは昭和22年に創立。年商10億円の粉体機器メーカーである。
緑の手入れが行き届いた本社を訪問し,吉川社長にお話を伺った。

 川内市内にあった本社工場を港町にある工業団地に移転して丸8年目になる。現在の敷地面積は2ヘクタールもあるが,砂で埋め立てられた土地のため,水はけがよすぎるのが悩みの種である。スプリンクラーを設置して,敷地内に植木を植え,1年中花を楽しめるようにしてある。
 さて,主要製造品のサークルフィーダーは用いられる業種を特定できないくらい用途が広い。ある程度水分を含んだ原料など,下に落ちにくいものを定量・定期,確実に供給するという大切な働きをするが,例えばセメント業界では原燃材として石油系の産廃物を利用しており,国内でも埼玉などでは都市ゴミを利用しはじめている。これらの原料加工の過程において定期的に原料を供給する時にもサークルフィーダーが使用されている。通常の機械は見てすぐに機能がわかってもらえるのだが,見えないところで機能しているので,なかなか用途を理解してもらえない。しかし「安定した量を供給するという事は次の完璧な安定した品質を生み出すのにとても重要な役割を果たしている」と考える。
 地元鹿児島では焼酎工場でもフィーダーが使用されている。焼酎の製造過程ではじめにイモを3~5トンほど釜に入れて蒸し,ファンで冷却したものをもろみとして利用するが,昔はこの釜から移すのに暑い中,スコップで手作業をしていた。サークルフィーダーを設置することでボタン一つで作業ができるようになった。他にも製麺工場,製粉工場,大手ビール工場など多くのところで使われている。中国や韓国などではフィーダーがやっていることをまだ人力で行っている。
国内には同じような専門メーカーが4社ほどあるが,製造している機械の特徴が違う。当社の製品は『出にくいものを安定して出す』のが特徴。他社は『定量で出す』定量フィーダーを扱う。当社の機械にはすべてヨシカワのプレートがついている。
 製品は川内工場でしか製作していない。注文があった時に,ここから製品を送っている。近々ヨーロッパにも送ることになっている。サークルフィーダーはステンレス製で大きいものだと外形が6メートルもあり,輸送コストがかかるのが販売のネックである。
 製品の材料は国内調達であり,完成品は9割を国内で,1割を海外に出荷している。海外の取引先には日本企業が多い。主に先進国向けの製造を手がけており,現在アメリカとヨーロッパに販売代理店がある。アメリカとの取引は長い。10年ほど前の5月にアメリカで開催されたパウダー展(粉粒体機械関係の展示会)に日本粉体工業技術協会のツアーで参加したのがきっかけとなった。現在はノースカロライナの企業と販売代理店契約を結んでいる。海外の見本市にも代理店が出展している。
 中国,東南アジア,韓国などの主な取引先は現地に進出している日本企業である。ニーズがあるようなので,出掛けていけば需要があるとは思っている。中国で製造して,中国で消費するということも考えられるが,中国で製造して日本に持ってくるということは考えていない。台湾企業を通じての販売もありうる。
 高いものは売れない時代になってきた。機械を安くして当社の製品を広く利用していただきたい。特例使用から汎用仕様へ,無駄なものを省く努力をし,製造者とユーザーがお互いに協力して,安くて機能の高いものを作っていく努力をしていかなければならないと考えている。

マトヤ技研工業㈱

会員者情報

企業名 マトヤ技研工業株式会社
所在地 曽於郡末吉町南之郷3050-6
電話 0986-76-0018
名前 代表取締役 益留 福一 氏

インタビュー(貿易ニュース鹿児島2003,7月号掲載)

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 マトヤ技研工業株式会社の創業は昭和60年6月、益留社長36歳の時であった。
 生まれも育ちも曽於郡末吉町。大阪で働きながら、大阪工業大学の夜間部を卒業。その後働いた会社で意気投合した仲間3人とこの会社を興した。
 平成2年に株式会社組織とした。地元に帰り、地元に貢献できる地域密着型の仕事を目指した。
自社ブランド製品は、殆ど鹿児島の一次産業がらみの製品である。
 地元企業の要請に応じて、あるいは提案型として自動省力機器の設計・製作及び販売を行っている。主要製品のミート用助骨剥離具「ミスターテンダー」は、若い男性でも大変な重労働となる豚枝肉の肋骨剥離作業を、年輩者や経験の浅い職員でも簡単に肉から肋骨を剥離できる省力機械である。現在では国内の殆どの食肉処理工場でこの機器が使用されているが、おかげでこの製品は、平成5年に「かごしま産業技術賞奨励賞」を受賞する事となった。平成6年には「鹿児島県発明くふう展知事賞」も受賞した。
 その後開発した大腸切開機「ドームくん」は、平成7年に「鹿児島県発明くふう展・商工会議所会頭賞」、平成8年には「第4回かごしま産業技術賞」を受賞する。
 また、ミート用肩胛骨剥離具「ミセスイージー」も平成8年に「鹿児島県発明くふう展・発明協会支部長賞」を受賞している。
 鶏卵用モールドトレイローダ「ハックリくん」も開発・販売している。
 これからは、地場産業と地域環境に着目した機器の開発も手掛けたいと考えている。
 さて、台湾、フランス、韓国、カナダ、オーストラリアなど海外にも製品を輸出し、現地で好評を得ている。最近は、中国からの引き合いもあったが、SARSの影響で今のところ、話が頓挫している。ただ、中国に製品を出した場合、コピーされるのではないかという心配もある。ホンダなどの大会社も手こずっているというくらいなので、特許をとっても、抑止効果があるかどうか疑問だ。
実際、韓国では当社製品のコピーものが、公然と出回っている。モノが同じなら、日本から輸入するよりも安く出仕入れることが出来るため、海外からの引き合いは、コピー製品の方が多いだろう。
 本当に商売しようと思うなら、今後はやはり中国で勝負するのが一番だとは思うが、コピーされるのを覚悟の上で販売しなければならない。近いうち、日本で特許申請すれば、世界中で認められるようになるようだが、そうなれば、海外展開もより積極的に出来るだろう。
 海外進出については、都城の工業クラブ主催のミッションに参加し、上海近郊に進出している同クラブメンバーの現地会社を見学してきたことがあるが、マトヤと関連のある京セラやナショナルなども既に上海に進出しているので、出ていこうと思えば可能性はあると考えている。
 ということで、鹿児島の超優良企業として、今後に大いに期待するところです。

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