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その29

当協会の理事で,弓場貿易株式会社社長の弓場秋信氏による,すぐに役立つワンポイント貿易アドバイス!

その29

弓場秋信氏最近目に触れる物で原料から最終製造工程まで純日本国産を探すことは困難になった。以前は消費者に原産国に対する拘りがあり、特に開発途上国製に対するチェックは厳しい物があった。しかし可処分所得が伸びないなか、消費者が価格重視の購買へと移行し原産国に対する見方も変化した。また地域が誇る特産品はその地にある原料を使って土地の人によって作られてきた。しかし最近ではその特産品でさえも怪しくなっている。この流れは止まりそうに無く貿易に携わる人や会社あるいはこの分野を志す人にとっては商機拡大のチャンスである。
先進国で生産性を上げ、これ以上のコストダウンは不可能と思われるぐらい努力して製造した商品の価格よりさらに約2割安い価格が世界には存在する。それが“チャイナプライス”と呼ばれる中国製である。競合先が“チャイナプライス”で見積りすれば戦う前に退場せざるを得ない。日本を含む世界で存在感を増している中国製品を扱わずしてニーズに応えることは難しい現状で、売れる商品を探す方法は如何に。中国商品を探す方法は色々あるが見本市の視察が入口としては最も効率的と思う。ご存知のように最大の見本市は年2回開催される「広州交易会」で、その次に有名な見本市は「華東交易会」である。そこで今回3月に開催される「華東交易会」について述べます。

華東交易会についての一般情報は「貿易ニュース」で紹介されるでしょうから省略しますが、広州と並ぶ産業の中心地華東地区には中国を代表する企業や日系を始めとする外資企業がひしめいている。それらの企業や地方政府がブースを設け、新商品や現在の売れ筋商品を陳列し熱気あふれる商談が入場者との間で交わされる。多くの出品業者の中でどの企業を購入先に選ぶか悩むところだが私なりの判断基準を紹介したい。注文したい商品が複数のブースで見つかり、陳列された見本の品質にも遜色ない時 ①日本への輸出実績は ②日本の商習慣を理解しているか ③商道徳に対する考え方 を質問してその答えを元に結論を出す。もし可能ならば現地で1社に絞らず帰国後数社にコンタクトしてレスポンス状況を見てからでも遅くないでしょう。また過度な値引き要求は慎んだほうが賢明でしょう。何故なら中国では売価に見合った品質の商品、即ち相当の原料・製造工程により製造されます。
(貿易ニュース鹿児島2005.2月号掲載)

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